そろそろ折り返そうか、あともう少しだけ行こうか・・・
ということで辿り着いたのが楽斎窯さん。
春の信楽キャンペーンで見学可能なスポットになっていましたので、
お邪魔してみました。
窯詰中の忙しいときにも関わらず、快く迎えてくださいました。
ご家族の雰囲気が本当に素敵で、気持ちの良い印象を受けました。
なんとなく入ったこちらの窯元。帰宅後に信楽に関する本を見ていたら、あれれ?
代々続く信楽でも名立たる窯元さんだったことを知りました。(@0@;)
本によれば、昭和に入り荒川豊三が桃山時代の古陶片を岐阜で見つけたことが発端で、古陶ブームがおきたました。その時代に古信楽の復興を目指し制作を始めたのが4代上田直方と3代目高橋楽斎の2人だったとのこと。当時は嫌われていた灰のかぶりやすい窯の焚き口近くを借りながら、本業のろくろ師傍ら、2人は古信楽や古伊賀の茶陶の再現に尽力しました。それは当時はなかなか評価されず、その価値や意義が認められるようになるには、かなりの時間を要したそうです。
自分の信念を貫いたこのお二人がいてこそ、昔ながらの信楽焼が今に残っているんですね!!
登り窯の煙突部分。大きな登り窯だとこんなに幅広いんですね?! こちらの登り窯は現役です!!500束以上の薪を使うとか。 |
こちらの窯元では、登り窯、蛇窯、イッテコイ窯の3つを使用しているそうです。それぞれの焼き上がりに特徴があって、親切な奥様がそれぞれ説明してくださいました。なるほど、確かに違いがある!
蛇窯というのは初めて見ましたが、細長い穴窯のような感じでした。焼きあがった器の表面はドライな感じだったり、赤みがあったりという感じ。それぞれ使い分けているそうです。特に登り窯はたくさんの量が入りますので、結構な数の物を作られているのでしょうね!!
4代目楽斎さん 優しそうなおじいちゃん・・・という印象でしたが、後から知ればすごい人物でした。 |
近くで採ったつくしで作ったというお菓子をいただいちゃいました。 自然と共存している生活が感じられますよね。素敵すぎます(>v<) |
楽斎窯さんで購入させていただきました。 こういう片口碗がほしかったんです☆ |
今回の信楽旅の締めにこちらに立ち寄れたことは、とても幸運でした。
このご時世、焼きもので食べていくのは楽ではありません。それも薪窯で作品を焼くのは効率的でなく経済的でもありません。実際に信楽の町にはすでに使われなくなった大きな登り窯がたくさん。それなのに、こちらの窯元では今も現役で窯をたいていらっしゃいます。なかなかの頻度で焚いていらっしゃるようでした。どうしてそんなことができるのでしょう?
3代目からの古信楽の伝統を受け継ぐ4代5代。家族が同じ気持ちで、協力しあいながら仕事を守り続けているからこそ、続けられるのだと思います。お伺いした時には奥様と娘様も一緒に楽しそうに仕事をされていました。
楽斎窯さんで感じた健やかで気持ちのいい印象。。。
古き良き信楽の象徴として、ずっと忘れないようにしたいなと思いました。