5.14.2014

信楽焼 ~窯元散策路2

そろそろ折り返そうか、あともう少しだけ行こうか・・・
ということで辿り着いたのが楽斎窯さん。

春の信楽キャンペーンで見学可能なスポットになっていましたので、
お邪魔してみました。


窯詰中の忙しいときにも関わらず、快く迎えてくださいました。
ご家族の雰囲気が本当に素敵で、気持ちの良い印象を受けました。

なんとなく入ったこちらの窯元。帰宅後に信楽に関する本を見ていたら、あれれ?
代々続く信楽でも名立たる窯元さんだったことを知りました。(@0@;)

本によれば、昭和に入り荒川豊三が桃山時代の古陶片を岐阜で見つけたことが発端で、古陶ブームがおきたました。その時代に古信楽の復興を目指し制作を始めたのが4代上田直方と3代目高橋楽斎の2人だったとのこと。当時は嫌われていた灰のかぶりやすい窯の焚き口近くを借りながら、本業のろくろ師傍ら、2人は古信楽や古伊賀の茶陶の再現に尽力しました。それは当時はなかなか評価されず、その価値や意義が認められるようになるには、かなりの時間を要したそうです。
自分の信念を貫いたこのお二人がいてこそ、昔ながらの信楽焼が今に残っているんですね!!



登り窯の煙突部分。大きな登り窯だとこんなに幅広いんですね?!
こちらの登り窯は現役です!!500束以上の薪を使うとか。

こちらの窯元では、登り窯、蛇窯、イッテコイ窯の3つを使用しているそうです。それぞれの焼き上がりに特徴があって、親切な奥様がそれぞれ説明してくださいました。なるほど、確かに違いがある!

蛇窯というのは初めて見ましたが、細長い穴窯のような感じでした。焼きあがった器の表面はドライな感じだったり、赤みがあったりという感じ。それぞれ使い分けているそうです。特に登り窯はたくさんの量が入りますので、結構な数の物を作られているのでしょうね!!

4代目楽斎さん 
優しそうなおじいちゃん・・・という印象でしたが、後から知ればすごい人物でした。


近くで採ったつくしで作ったというお菓子をいただいちゃいました。
自然と共存している生活が感じられますよね。素敵すぎます(>v<)



楽斎窯さんで購入させていただきました。
こういう片口碗がほしかったんです☆


今回の信楽旅の締めにこちらに立ち寄れたことは、とても幸運でした。

このご時世、焼きもので食べていくのは楽ではありません。それも薪窯で作品を焼くのは効率的でなく経済的でもありません。実際に信楽の町にはすでに使われなくなった大きな登り窯がたくさん。それなのに、こちらの窯元では今も現役で窯をたいていらっしゃいます。なかなかの頻度で焚いていらっしゃるようでした。どうしてそんなことができるのでしょう?

3代目からの古信楽の伝統を受け継ぐ4代5代。家族が同じ気持ちで、協力しあいながら仕事を守り続けているからこそ、続けられるのだと思います。お伺いした時には奥様と娘様も一緒に楽しそうに仕事をされていました。


楽斎窯さんで感じた健やかで気持ちのいい印象。。。
古き良き信楽の象徴として、ずっと忘れないようにしたいなと思いました。


名残惜しく、信楽を後に・・・。
信楽にはまたいつか来たいなと思います。

小腹が減ったので、たぬき最中を。
可愛くて食べるのが勿体ない!でも美味しくいただきました。

5.12.2014

信楽焼 ~窯元散策路1

いよいよ生の信楽を見に町に出ます!!

とりあえず、伊賀に続き伝統産業会館へ行ってみることに。
こちらでは無料で信楽の古陶が見れ、歴史を学ぶことができます。
神社のすぐ近くです。ちょうど行った日はお祭りをやっていて地元の子供たちがたくさん集まっていました。おみこしも出ていて、昔ながらの町の雰囲気を感じられる素敵な光景でした。





 お店もいいけれど、やきものの町が見たい!ということで、窯元散策路へ。
古い町並みが見られます。ちょうど春の信楽おもてなしキャンペーン(?)のようなものをやっており、見学できる窯元などがMAPに載っていたので、それを見つつ散策してみることに。

ちゃんと道が分かりやすいように路上にタイルがついていました。観光地としてもしっかり整備されていますよね。そのおかげで油断をしたせいか、途中迷ってしまいましたが(^^;)こんな感じでさまようのがまた楽しいのです。


本当に驚くほど窯元だらけです。今もやっているところもあれば、もうやっていないところもあると思いますが、どこか違う世界に来たような不思議な感覚になります。

静かな細い道を歩いていると大量の積まれたやきものが突如現れたり、大きな登り窯があちらにあったと思えばこちらにも!そちらにも!!といった感じで、やきもの好きは心拍数が上がってしまう瞬間がいっぱいです。



あら?こんなところにオシャレなのれん。。。
ここはもう使われていない登り窯を展示室にしているようです。

なんと10部屋ほどもある大きな登り窯。上にいくに連れて部屋が大きくなっていきます。登り窯を見るのは決して初めてではありませんが、今回ほど感動を覚えたことはありません。こんなに大きな登り窯、それもその中に入るのは初めてだったからでしょうか。。。

これだけの大きな窯、どれだけの労力と日数と薪を使って焼いていたのだろう、どんなものを焼いていたのだろう・・・などと想像が膨らみます。

こちらはオシャレなカフェとギャラリーも併設しています。ぜったいオススメ☆
明山窯の登り窯。大きいです!!



私は「ひいろ壺坂」と「ろくろ坂」のあたりをぶらぶら歩きました。

これが焼き物が有り余っている町の風景です 笑

・・・・つづく




5.09.2014

信楽焼 ~陶芸の森2

陶芸の森には、いろんな種類の窯があり見学できるようになっていました。

私自身は、薪窯はアメリカの大学にいるときに数回焚いたことがある程度で、ほとんど無知な状況。

薪窯とひと言でいっても、大きさや形はさまざま。こんなにいろんなタイプがあるんだなと、感心してしまいました。それぞれ特徴があり面白いので、ずらっと紹介してみます。(登り窯は使用中のようで閉鎖されていました。)

穴窯
(1番原始的なタイプの窯。つながった一つの部屋になっています。
熱効率が悪い為、それをよくする為に登り窯へと進化していきました。)

ビードロ窯
(信楽焼の特徴であるビードロ釉がたくさんかかるようになっています。
短時間で焚ける効率の良い窯だそう。)
イッテコイ窯
(「行って来い」窯。焚口と煙突が同じ側にあるのが特徴です。
火が向こうへ行って煙突側へ帰ってくるので効率よく火が回ります。
私が益子にいる時も窯元の親方からこの名前を聞いたことがありました。
後で訪問した信楽の楽齋窯さんでもこのタイプの窯を使っていましたので、
比較的多く利用されている形のようです。)

スイッチバックキルン
(両側に薪を入れる焚口と煙突がありますので効率よく焚け、
灰が全面にかかりますので通常の窯とは違った焼き上がりが期待できます。作品もたくさん入りそうですね。)


創作研修館にやってきました。

数々の名だたるアーティストも滞在してきた信楽のアーティスト・イン・レジデンス。数か月~1年程度の期間滞在しながら、自由に制作ができるシステムです。アメリカなどの海外でよく見かけられます。特に陶芸の分野においてはまだまだ日本にはあまり浸透していないように思われますが、信楽では1992年からすでに行っているそうです。

上記の薪窯を含めた多種の窯をはじめとし、個人ではなかなか持つことのできない設備がそろっており、図書施設の利用や技術相談ができたり、材料も手に入れやすかったりなど、焼き物の町だからこその利点があります。

そういったすばらしい環境が目的で参加する人も多いでしょうし、または国内外から集まる他のアーティストとの触れ合いの場所にもなりますので、出会いや刺激を求めて来る人もいることと思います。特に大きいものを作りたい人には最適の場所だと思います。


施設は一部見学ができるようになっています。対象時間内ならだれでも受付で見学許可証をもらえます。(よっぽど見た目が怪しかったら分かりませんが・・・笑)

印象としては、スタジオ(作業場)の雰囲気は、私のいたアメリカの大学のようでした。
打ちっぱなしのコンクリートの床と壁のせいか、不思議と懐かしさを覚えました。日本というよりは欧米スタイルの工房のようでした。こういうところで思いっきり何か作ってみたいなぁと憧れを抱きつつ・・・ふと我に返るのでした。

まだまだ信楽は見るところがいっぱいあるので、こうしてはいられません。
続いて町の中心へと行ってみましょう!


信楽陶芸の森
http://www.sccp.jp/


信楽焼 ~陶芸の森1

伊賀に続きまして信楽に行くのも今回がはじめて。
行ってみてひと言。。。「信楽を知らずして日本の焼き物を語るべきではなかった!」と反省いたします。本当に素敵なところでした。ここはまさにやきものの聖地です☆



 信楽は六古窯の1つにも数えられる歴史ある窯業地。今もたくさんの伝統的な窯元が焼き物を作り続けています。一方では積極的に新しい事も取り入れています。信楽の森の施設内では、国内外からのアーティストが滞在し制作のできるレジデンシープログラムが20年以上も前から行われています。最近では、現代アーティストの奈良美智さんもこちらのレジデントとして、少女や犬などのおなじみのモチーフを焼き物で制作していました。
古きから新しきまでカバーしているのが信楽の特徴とも言えますね。


信楽に来るの初めてですが、信楽にはいつもお世話になっている私。というのも、現在が働いている陶芸教室でもメインの土は信楽からの土ですし、私が前にいた益子でも、多くの窯元や作家さんは益子の粘土に信楽の粘土を混ぜて使っていました。質と価格のバランスが良く、たくさんの人から愛用されています。現在でもたくさんの良質な粘土を全国に提供してくれている信楽。懐の大きさを感じますよね。感謝感謝。


まずは陶芸の森へ。
陶芸の森には、美術館、展示販売所、広場、多種多様な薪窯、創作施設などが大きな敷地の中に点在しています。茨城県笠間の芸術の森には何度か行ったことがあるのですが、とてもよく似ています。笠間の方が新しいのでおそらくこちらを参考にして作ったのでは?と思います。


今回はちょうど太陽の広場にて行われる「作家市」というクラフトマーケットの初日。
たくさんの作家さんがテントを出して、販売していました。笠間の陶炎祭りをもう少し小さくした感じのイメージですが、西日本方面の作家さんが多いので私にはとても新鮮でした。信楽焼きの渋いイメージの作家さんも多いですが、京都などの色鮮やかなイメージの作風も多くバラエティに富んでいるのが印象的でした。



ぶらぶらと歩き始めるとさっそく素敵な釉薬の作品に目を引き付けられました。ラメのように光る水色の器。。。磁器系の土に砂が混ざっており、釉薬の細かい貫入(表面のヒビ)との絶妙な組み合わせで、キラキラ光って見えるのです!思わず衝動買いしてしまいました。(写真にはこのキラキラ感が撮れないのであえて載せませんっ。)京都で制作する高橋亜希さんという作家さんの作品です。 http://www.aki-takahashi.com/index.html

一緒に行った母もちょこちょことお買い得品をゲットしていました。作家さんが直接販売しているのがいいですよね☆ 話も聞けますし、値段も安い!!



この期間は食べ物の出店もあり、お腹が減ったので近江牛モツ焼きそばを頂きました。耐火煉瓦で囲った即席窯で焼いてくれる窯焼きアップルパイなどもあり陶芸の町っぽさを感じられるものありました。

焼きたての窯焼きアップルパイ☆


陶芸の森には素敵な常設カフェもあります。休憩にオーガニックレモネードをいただきました。美術館の展示に合わせたメニューがあったり、デザートもおいしそうでした。今はイギリス陶芸に関する展示をやっているので、イギリス系料理のワンプレートランチやスコーンなどがありました。お客さんを楽しませようとしてくれる工夫が伝わってきますね。 (カフェのHP http://upcafe.jp/

周囲の山の緑がきれい

つづく・・・

5.05.2014

伊賀焼 訪問記2

・・・・伊賀焼訪問 つづきです





行った日の翌日から新緑陶器市と長谷園の窯出し市が始まるということで、あちこちテントを張ったり品出しの準備をしたりと、いそいそした雰囲気でした。準備をするお店の方には「明日からなのご存じでなかったですか?」と聞かれ、、、分かっていましたが、日程の関係であきらめてしまったのでした^^; 私の場合は、買い物というよりも伊賀焼について知りたかったりするだけなので、逆に空いていてよかったのかなと自分を励ましつつ。。。。;


伝統産業館前の登り窯。年に数回焚いているそうです。


今回の伊賀旅で私がまず訪れたのは、伊賀焼伝統産業会館。2Fでは伊賀焼の歴史などがわかりやすく紹介されています。展示を見るのに200円かかりますが、1Fのお店で200円の金券として使えるので買い物すれば実質タダ!!購買意欲をそそられる粋なサービスですよね。伊賀焼組合に加盟している二十数件の窯元や陶芸家の方の陶器が販売されており、私も迷わず買い物しちゃいました。
時代に合わせていろんなものを作ってきたのですね・・・

そして長谷園(ながたにえん)さんにも行ってみました。(お茶漬けの永谷園ではありません^^)こちらは伊賀でも今一番勢いのある窯元さんでないでしょうか。現代人の生活にあった商品を積極的に作り、ネットでも販売しています。窯元も多様化していますね。
長谷園の登り窯。現在は使われていないようですが、現存する登り窯では日本最大だそう。
なんと16部屋もあります(@0@;)なんとすべて焚くのに15~20日もかかったとのこと。
1970年まで使われていました。

伊賀信楽は大物も得意です。





盆栽が乗っているこの台、伊賀や信楽のいたるところで目にしました。贅沢に灰を浴びたこの物体、何だと思いますか・・・?なんと、これ自体は作品や製品でなく、火鉢を焼くときの台だったものだそう。

現代ではこういった灰がたっぷりかかった作品を焼くために登り窯などの薪窯が使用され、釉薬をかけてキレイに焼き上げたいものはガスや電気の窯を使用します。昔は薪窯意外の選択肢はもちろんありません。釉薬を掛けた物が灰で汚れてしまうと製品価値を落としてしまうため、昔の人は色々と工夫をしていたようです。この台に乗せることで火鉢を高い場所におき、灰がなるべくかからないようにしたそうです。

現代はこの台も不要になり、そして新しく作られることももうありませんので、今では歴史を感じることのできる貴重な資料であり同時に素敵な飾り物となっているようです。




続いて長谷園さんの奥にある忠央窯さんにもお邪魔しました。伝統的なスタイルのものから、現代的な造形の作品まで様々作られていらっしゃいます。直接お話が聞けるのが嬉しいですよね。気さくなご主人がお出迎えしてくれました。



素晴らしい格言ですね。この地区は美しく整備されており雰囲気がとても素敵でした




              


さて、一風変わってこのオシャレなところは??ギャラリーやまほんさんです。工場だった建物の中を改装し、ギャラリーにしています。周囲の雰囲気とは全く違った世界が広がっているので、入った瞬間びっくりしてしまいました。奥は陶器だけでなくいろいろな生活雑貨のセレクトショップになっています。益子のスターネットというお店に近いイメージを持ちました。

スターネットが益子のイメージを変えたように、ヤマホンさんも伊賀焼の里をもっと若い人が訪れたくなる場所に変えていっているようですね。
              
広々として開放的なギャラリー 天井には工場だった名残も感じられます

オシャレなカフェも併設されており、コーヒーやケーキなどが楽しめます
チーズケーキが美味しかったです☆



更に車で15分程度行ったところにある伊賀信楽古陶館というところにも行ってみました。こちらはお城や忍者博物館に近いので合わせて行かれるのがおすすめです。


伊賀焼を説明する言葉によくあるのが「破格の美」。
今回のスローでまったりした伊賀の旅ではそのエネルギーを感じることはあまりできませんでした。美術館にある大胆でエネルギーに満ちた伊賀焼は主に茶陶としてのものであり、それが伊賀焼のすべてではないということを今回学ぶことができました。時代に合わせて変化することができなければ、衰退し途絶えてしまうということを学んだ伊賀焼。今後どのように変わっていくのでしょうか。
型破りの焼き物と呼ばれた伊賀焼に、私の期待は高まります。。。

5.04.2014

伊賀焼 訪問記1

連休を利用して、伊賀と信楽を見に行ってきました。
伊賀と信楽は県は違いますが、車でほんの15分程度の場所に位置しています。
三重県に家族が住んでいるので、遊びに行きつつということで。。。

伊賀焼の里は田畑に囲まれ、のどかでのんびりしたところでした


まずは伊賀焼についてゆるめにお勉強。
伊賀と言えば忍者!そして俳人松尾芭蕉の出生地としても有名。
伊賀忍者も芭蕉もきっと使っていたのが、伊賀焼!?(・・・というのは勝手な想像です ;)
琵琶湖堆積層の粘土と、窯を焚くための薪が手に入りやすかったことから焼き物の産地として発展し、奈良時代から日用雑器などが作られていたそうです。


伊賀焼と聞いて私が一番先に思い浮かぶのは、豪快で歪んだ耳付きの花器。
薪の灰をたっぷり浴びた焼き締めの陶器が茶器として茶人に愛でられたことが、伊賀焼の名を有名にしている1番の理由であることと思います。領主の筒井定次は古田織部の弟子で茶人であったこともあり、この時につくられた伊賀焼は最高峰であったといわれています。
しかし永遠に茶陶の需要が続くわけもなく、時代の変化に対応できずに衰退していき、江戸時代に入って100年もの間途絶えてしまったそうです。。。



江戸中期に復興され、再び日用雑器を作りはじめました。耐熱性のある粘土の特徴を生かして土鍋の生産もさかんに行われています。特に最近では土鍋で作る料理の美味しさが見直されてきていますよね!現代のガスコンロの火力にも耐えられるように開発がされているおかげなのです。特に有名な長谷製陶さんでは、デザイン性の高い土鍋もたくさんあって本当に驚きました。料理好き男子の為の男子鍋とか・・・気合が入ってますね。
私もいつかは伊賀のオシャレ土鍋を手に入れたいと思いつつ。現在はあまり自分で料理をしないためお預け。。。


ところで、「伊賀焼と信楽焼はどう違うのか?」という質問は、定番中の定番のようですが、私もやはり聞きたかったので伝統産業館の方や窯元の方に聞いてみました。

土のタイプも同じで焼き方にもこれといった大きな違いもなく、歴史的にたどっている道も似ており、見分けのつかないものも多いのが実際のところのようです。あえて言うなら、ビードロ釉(緑色っぽくガラス化した灰)が色濃くたっぷりかかっているものが多いとか。。。
特に現在はどこの地でも様々な焼き物が作れますので、なかなかきっちりとは分けられないものですし、分ける必要もないのかとは思います。ただ、素材や見た目ではなくその奥の精神的なものに何か違いが見いだせたら面白いのでないかと思うところ。
忠央窯さんにて。伊賀焼らしい茶陶をはじめ日用食器など様々な作品を作っていらっしゃいました


あとで読んだ本(※1)によれば、桃山期の茶陶には形の違いが大きくみられるとのことが記されていました。信楽は千利休好みの「無作為の美」、伊賀は古田織部好みの「人工美」とのこと。なるほど!!私は織部焼が好きだから、伊賀の茶陶の力強く大胆な造形に魅かれるんだ~!!となっとく致しました。

そんな私が一目惚れして買ったのが新学さんという陶芸家の方のお皿(左)。確かに織部っぽさがある!産伝統業会館の方によれば、こちらは灯油窯で焼いた作品だそう。


右は忠央窯さんで購入した丸皿。粒の粗い粘土とビードロ釉が素敵です。


つづきは伊賀焼訪問記2にて・・・


参考図書;
※1 美しい和食器の旅
京都・信楽・伊賀 およびのその周辺 清水元彦(編) リブロポート社